【健康コラム】政権からの情報は政治的意図あり 殺し殺され負傷、これが戦争の現実〈4月23日号より〉
- 2023/4/18
- コラム・オピニオン
20年前、イラク戦争2003.3.20に火をつけたのがNYT記者のスクープでした。“イラクは大量破壊兵器を隠し持っている”
米政権はそれを口実にイラク攻撃です。大量破壊兵器はなし、誤報でした。
“捏造情報を流して記事を書かせ、その報道を利用して戦争を起こす。政府が仕掛けた情報戦に記者がまんまと引っ掛かってしまった”(日本ジャーナリスト懇話会会報 2012.8.20)
政権からの情報・漏らしは政治的意図あり、です。
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いまは昔、満州事変を軍の発表通り「支那軍満鉄線を爆破」(東京日日 1931.9.19)と報じ、戦争煽り役になったのもそう。関東軍自らの爆破でした。
軍の武力支配でどうなったか。文献を元に内藤裕史麻酔科医のまとめです。(医事新報2023.2.11)
“関東軍は財源得ようと阿片を専売、阿片窟(多く売春宿兼ねる)公認。阿片中毒90万人、モルヒネ中毒含め111万人に”兵を戦場に慣れしむる為には殺人が早い方法である”
新聞通信社132社は戦争旗振りに共同宣言を出して。「満州国の政治的安定は極東の平和を維持する絶対の条件」(1932.12.19)
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いまこの国の政権は攻撃兵器爆買い、戦場化想定基地強化、軍事費47兆円の戦争準備へ突っ走りです。
主要メディアは政権の言い分を流すまま、批判が最も必要な時に批判なし。
政権の戦時報道体制つくり(赤旗2023.3.14)に屈しちゃダメ。新しい大本営発表報道になってしまう。
イラク・アフガン戦争(2001-2011)での米兵死因分析です。(J Trauma Acute Care Surg 2012.12)
“戦場死亡4,596人、87%は医療施設収容前に死亡。生存可能と判断された兵も多くは出血で死亡”
殺し殺され、負傷。民間人も。戦争の現実です。
やらせてはいけない。声をあげよう。
(上野敏行)
(東京民報2023年4月23日号より)