5月5日は子どもの日です。子どもの成長を祝う風習が、「鯉の滝登り」で竜になるという故事が知られる鯉を飾る「鯉のぼり」です▼5月合併号となる今号では、最終面で、手描き鯉のぼりの職人を特集しました。三代目となる「金龍」の名を継いだ、30歳の職人、金田鈴美さんの、染料をはじめとした手描きの工夫、鯉のぼりという文化への思いを紹介しています▼2022年に生まれた子どもの数(出生数)は、79万9728人と、統計開始以来初めて80万人を割りました。23日に都内の多くの自治体で投票日を迎えた統一地方選でも、子育て支援策は大きな焦点になりました。選挙結果に悔しさは多いものの、学校給食費の無償化や、医療費の完全無料化に取り組むことを表明する自治体が相次ぐなど、さまざまな分野の運動が自治体を大きく動かす選挙戦でもありました▼政府は「異次元の少子化対策」を掲げ、東京都もさまざまな子育て支援策に乗り出す一方、子育て費用の軽減や、「少子化社会」の原因ともなってきたジェンダー差別の解消といった課題への、本気の姿勢は見えません▼未来を担うのは子どもたち。求められるのは、子どもの健やかな成長を正面に据えた、子どもにも子育てにもやさしい社会の実現です。
〈東京民報2023年4月1日5月7日合併号より〉