5月12日金曜日、参議院の本会議で入管法改悪案が審議入りした日の夜。国会前で行われた「入管法の改悪に反対する大集会」に、私も参加。時間が経つにつれ、どんどん参加者が増えていき、「人権侵害の悪法は廃案を」という声が、どんどん大きくなりました。
今回の入管法改悪案は、刑事罰をもって、外国人の国外退去を強制できる人権侵害の悪法です。まるで、「不法滞在の外国人はすべて悪」と言わんばかりですが、「不法滞在」となった外国人の理由は、本当に様々です。
例えば、留学生として来日したものの、渡航費用や仲介業者のあっせん料や学費など、100万円以上の借金を背負っていて、その借金の返済や母国への仕送りのため、週28時間の上限を超えて働いて在留資格を失うような事例もあります。名古屋入管で死亡したウィシュマさんも留学生として来日。学費を払えず退学させられ、「不法滞在」として名古屋入管に収容されてしまいました。
政府は、この間、「留学生30万人計画」を掲げ、2019年に達成。今度は2033年までに「留学生40万人」を目指すといいますが、この目標達成ありきで、経済的に困難な外国人も留学生として在留資格を与えてきたのではなかったか。それが「不法就労」や「不法滞在」を増やす原因になったのではないか。
その反省もなく、「不法滞在」の責任を外国人にだけ負わせ、強制退去を迫るのか。人権侵害の悪法は市民の力で廃案に。外国人の権利を守る制度こそ。
(参院議員・東京選挙区選出)
東京民報2023年5月28日号より