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- 〈一分 7月16日号〉1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんが裁判のやり直しを求めた再審公判で、静岡地検が10日、有罪を立証する方針を明らかにしました…
〈一分 7月16日号〉1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんが裁判のやり直しを求めた再審公判で、静岡地検が10日、有罪を立証する方針を明らかにしました…
1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんが裁判のやり直しを求めた再審公判で、静岡地検が10日、有罪を立証する方針を明らかにしました▼57年にわたって無実を訴えてきた巌さんは87歳、姉のひで子さんは90歳です。早期の無罪判決を求めてきたにもかかわらず、検察側が有罪を主張することで、裁判の長期化が予想されます▼再審を請求した裁判と同様、争点になるのが、事件から1年2カ月ほどがたって、現場近くの、みそのタンクから見つかった衣類が、証拠となり得るかです。再審を決定した東京高裁は、弁護側が、みそに1年以上つかった衣類の血痕は赤みが消えるとした実験結果を認めて、証拠ねつ造の可能性にまで言及しました。にもかかわらず検察側は、改めて衣類を証拠として持ち出す考えです▼インターネットの署名サイト「チェンジ.org」で呼びかけられた、有罪立証方針の撤回を求める署名は、8日の開始から11日ほどで3万5千人に迫っています(11日午前11時現在)▼「誤判を匡(ただ)す」ことは「国民にとっての人間的な義務であり、裁判に携る裁判官、検察官、弁護士にとっての職業的な責務である」-署名の呼び掛け文に引用された法学者の言葉です。
東京民報2023年7月16日号より