自民党の元衆院議員で石川県知事の馳浩氏が、東京五輪の招致活動で、官房機密費を使ってIOC(国際オリンピック委員会)委員に贈答品を渡したと発言しました▼馳氏は当時、自民党の招致推進本部長を務めていました。IOC委員に、選手時代の思い出の写真などを収めた20万円もするアルバムを作って渡していたと、詳細に招致活動の裏側を語りました▼馳氏は「事実誤認」だったと発言を撤回しましたが、自身の当時のブログに「想い出アルバム作戦」など、今回の発言と符合する記述が残っています。馳氏は、当時の安倍晋三首相に「金はいくらでも出す」として、内閣が使途を明らかにせずに使える「機密費もある」と言われたと語りました▼東京五輪をめぐっては、フランスの検察当局が、竹田恒和JOC(日本オリンピック委員会)元会長が招致をめぐる買収に関わったという疑惑を捜査をしたことが伝えられました。本番の大会につながるテスト大会をめぐる、運営企業の談合疑惑で関係者が逮捕されています▼IOC倫理規定は、五輪関係者に「倫理と高潔性の文化を広め、模範として活動すること」を求めています。高い理念とは真逆の、東京五輪開催をめぐる数々の闇。徹底的な疑惑解明が求められています。
東京民報2023年12月3日号より