横田所属オスプレイが墜落 屋久島沖 国内初の死亡事故〈2023年12月10日号〉

 米空軍横田基地(福生市など)に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後2時40分ごろ、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。乗員は8人で、このうち1人の死亡が確認され、残りの捜索が進められています(4日現在)。オスプレイが死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。構造的に危険な欠陥を持つオスプレイの撤去を求めてきた横田基地周辺の住民団体や地方議員からは、「ついにこの日が来てしまった。私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。

横田基地のオスプレイ(羽村平和委提供)

「やはり危険、撤去を」

 米軍の説明によると、オスプレイは山口県の岩国基地から、沖縄県の嘉手納基地への飛行中でした。横田基地の監視行動を続けている羽村平和委員会によると、同日午前11時ごろから、2機のオスプレイが横田基地から飛び立っており、このどちらかが墜落した機体の可能性があります。

 墜落現場は、屋久島空港の南東2~4キロ付近と伝えられています。飛行中に異常が起き、同空港に緊急に着陸しようと向かっている途中だったとの報道がある一方、防衛省の担当者は「情報を確認中」としています。

 墜落を目撃した人からは、エンジンが火を噴いていたとの情報もあります。

 日本共産党都議団は、横田基地の周辺や飛行ルートの下にある自治体の同党議員とともに、30日に小池百合子都知事にあてて、緊急の申し入れを行いました。墜落の原因究明と、オスプレイの全機飛行停止、横田基地からの撤去を求めるものです。

 参加した地方議員からは、「私たちの頭上をいつも飛んでいる機体が、こんな事故を起こした。とんでもないことだ。これまでのように、十分な説明すらないまま飛行を再開するようなことはあってはならない」「やっぱり危ない機体だったか、というのが市民の受けとめだ。地元の心配の声をきちんと受けとめてほしい」などと訴えました。

 尾崎あや子都議は「都民がどれだけ不安に思っているか、重大さを認識してほしい。小池知事は『都民の命を守る』というが、多摩の上空で今回の事故が起きたら、都民の命は守れない。知事が先頭に立ち『オスプレイはいらない』と政府やアメリカに求めるべきだ」と強調しました。

 日本共産党の国会議員団は政府に30日に申し入れたほか、1日には防衛省の担当者から対応を聞き取りました。宮本徹、塩川鉄也両衆院議員、山添拓、吉良よし子参院議員、坂井和歌子衆院東京比例予定候補のほか、関係する地方議員や運動団体メンバーが参加しました。

 焦点となったのが、墜落事故の後も米軍がオスプレイの飛行を続けている問題です。国会では、木原稔防衛相が「首相から米側との間で一時飛行停止を含めた必要な対応を検討するよう指示された」と答弁しているにもかかわらず、防衛省は米側に「飛行にかかる安全が確認されてから飛行するよう」と、飛行を前提としたような形でしか、要請していません。

 米国防総省の副報道官も「日本政府から公式の飛行停止要請は受けていない」と発言しています。

 各議員は「飛行停止という明確な言い方で、さらに首相自身が米側に求めるなど、はっきりと飛行停止を求める姿勢をとるべきだ」と繰り返し強調。防衛省の担当者は「言い方としては、そのような(安全が確認されてから飛行という)言い方」と、明確に飛行停止を求めていないことを事実上、認めました。

 米側は事故を起こしたのと同じ空軍のCV22オスプレイは運用を停止したものの、海兵隊の使用するMV22オスプレイは飛行を続けています。防衛相は飛行の継続に「懸念を有している」と表明しており、参加者から「政府として安全の確認が取れていないと認めているということだ」として、飛行停止を求める声が相次ぎました。

「横田基地にオスプレイはいらない東京大集会」でアピール 行進する参加者=11月26日、福生市

解説 構造的欠陥で事故繰り返し

 オスプレイは開発段階から、実戦配備後まで数々の事故を起こしてきました。明らかになっている事故だけでも、今回の屋久島沖での墜落を除いて死者は57人に及んでいます。

 2012年に沖縄普天間基地に海兵隊仕様のMV22が、18年に横田基地に空軍仕様のCV22が、それぞれ配備されており、2016年に名護市沖で墜落事故を起こしたのをはじめ、部品落下事故や民間空港などへの緊急着陸を繰り返しています。日本国内で、飛行中に異常が起きて緊急着陸したケースは、明らかになっているものだけでも18回で(表)、1回で複数の機体が緊急着陸したケースも多くあります。

 専門家や関係者から、「これまで繰り返してきた事故を考えれば、起こるべくして起きた墜落事故」という指摘が出るのは、当然です。

 両翼に回転翼とエンジンを持ち、角度を変えることで、ヘリコプターのように離着陸して、固定翼機のように飛ぶことができるのが、オスプレイの特性ですが、その構造ゆえにエンジンが停止しても安全に着陸できる「オートローテーション」機能を持っていないという根本的な欠陥があります。

 さらに、飛行中にクラッチの不具合が起きる「HCE」と呼ばれる現象も明らかになり、22年に一時、全世界の米空軍オスプレイを飛行停止したものの、根本的な対策もないままに、飛行を再開しています。

 11月26日に「横田基地にオスプレイはいらない東京大集会」を開いた「オスプレイ反対東京連絡会」は、墜落事故を受けて、オスプレイの飛行停止と配備撤回を求める緊急の署名を呼びかけています。

 「欠陥機オスプレイは、都民の頭上を飛ぶな」という声に、東京都と国が応える時です。

東京民報2023年12月10日号より

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