4月の中野区議選(定数42)で当選した日本共産党の、いさ哲郎氏(52)が、票の再点検で当選を無効とした都選挙管理委員会の裁決を取り消すよう、いさ氏が求めた訴訟の判決が14日、東京高裁でありました。谷口園恵裁判長は、いさ氏の訴えを認め、都選管の裁決を取り消す判決を言い渡しました。
いさ氏は次点の田中ヒロシ候補(参政党)と0.415票差で当選しましたが、田中氏が、いさ氏の当選無効を訴え。都選管は8月、いさ氏への1票を無効として当選を取り消す裁決を出しました。
高裁判決は選挙人の投票意思を推定すると「投票の記載が候補者の氏名と一致しない投票でも、記載が候補者の氏名の誤記と認められる限りは、候補者への投票と認めるべきだ」と強調。
都選管が無効とした「いさしんいち」票についても、「いさ」氏や類似の氏の候補者が他におらず、「しんいち」名の候補者がいない、いさ氏が選挙ポスターや情報紙で(ひらがなの)氏を大きく表示したことを示し、いさ氏への投票と認定しました。
一方、次点者の票とされた中に、他の候補者の氏と混記した疑問票が見つかった問題については、次点者への票と推定しました。この結果、いさ氏の得票数が次点者の得票数を0.415票上回るとして、都選管の裁決を取り消しました。
裁判後、いさ氏の代理人の久保木亮介弁護士は記者会見で「投票者の意思をできるだけ有効とする最高裁の判断にも、いさ氏の実際の選挙活動にも目配りし、民主主義の観点からも大事な判決」と述べました。
共産党中野地区委員会は12月23日(午後6時半)、裁判結果の報告集会を中野区産業振興センター(中野駅南口から徒歩4分)で開きます。
東京民報2023年12月24日号より