公助下げ、弱者切り捨て 目黒区 被災者追い出し裁判が結審〈2024年2月11日号〉

報告集会で判決に向けた話をする山川弁護士=1月31日、千代田区

 東日本大震災で自宅兼店舗を失い、宮城県気仙沼市から病気の夫(2018年10月死去)の治療のため、友好都市である目黒区の応急仮設住宅に避難した女性(69)に対し、区が支援打ち切り後の家賃820万円余の賠償を請求している民事訴訟が1月31日、東京地裁(金澤秀樹裁判長)で結審しました。判決は3月25日に言い渡されます。

 前回、12月21日の口頭弁論で結審を迎える予定でしたが、原告の目黒区は最終準備書面の段階で、13ページ中、11ページにわたり、新たな主張を展開。被告代理人の山川幸生弁護士は、公正な裁判を求めて裁判官に反論する機会を強く求め、結審が延期しました。

 区の新たな主張は、被告女性が気仙沼市の災害公営住宅の入居を申し込んでおり、「気仙沼市から住宅支援を受けているため、目黒区が支援をする責務はない」という趣旨の内容でした。女性は気仙沼市で夫の水産加工会社を復活させるため、避難当初、同市の災害公営住宅に申請。しかし、夫の重篤化により帰還をあきらめ、同市に電話で入居を断りました。

 閉廷後の報告集会で、山川弁護士は「東日本大震災の前までは、仮設住宅の打ち切りはあっても、被災者の追い出しはほとんどやってこなかった」と指摘。政府が自助・共助を強調し、公助の比重を大きく下げたことで、「被災者切り捨ての方向へ流されていることに、我々は警戒しなければいけない」と、元旦に起きた能登半島地震も踏まえて発言しました。

 裁判の傍聴、報告集会には、日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組の目黒区議も参加しました。

 判決を前に「めぐろ被災者を支援する会」は5日、青木英二区長に再度、話し合いによる解決を求める要請のほか、区議会に対し、区長に裁判の経過報告を区議会に行い、被災者支援のあり方について見直しを求める陳情、能登半島地震被災者に目黒区公共住宅への災害救助法に基づく避難、住居提供を真摯しんしに検討することを求める陳情を提出しました。

東京民報2024年2月11日号より

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