「私たちに10%賃上げを」非正規春闘がスタート〈2024年2月18日号〉
- 2024/2/18
- 労働・市民

非正規雇用の労働者らが個人加盟できる労働組合などがナショナルセンターの垣根を越えて〝非正規春闘〟をスタートさせるとして8日、記者会見を行いました。非正規春闘は昨年に続いて2度目。昨年は36社と交渉し、16社で賃上げを実現しています。参加する組合員は飲食が最も多く、続いて小売りなどサービス業が占めており教育の分野も少なくありません。
会見には組合員も参加し、実態を訴えました。首都圏青年ユニオンに加盟する回転寿司チェーン・スシローの埼玉県の店舗でアルバイトとして働く学生は勤続4年で、複数の業務に携わる立場でありながら時給が1050円だといいます。「近くの県境を越えた東京都の店舗では時給が1200~1400円のところもある。会社は“人権を尊重する”とうたっているが実態は違う。自分たちは生産力ではなく人である」と訴えました。
同春闘では会見に先立ち日本経団連に向けて①非正規雇用労働者の10%賃上げを政策課題に②会員企業に10%賃上げを要請③会員企業の非正規雇用労働者の賃上げ調査と結果の公表④全国一律の最低賃金1500円の達成―を、掲げて要請行動を実施。事前に申し入れていたにもかかわらず、警備員を配置して門前払いを受けたといいます。
さらに実質賃金が21カ月連続で低下したことから、非正規雇用労働者や未組織労働者の困難は根深いと分析。対応するためインターネットを用いての実態調査や、「生きていくための相談」に応じる賃上げホットラインなどを展開。すそ野を広げ、大企業正社員の賃上げがメーンで非正規雇用労働者などが蚊帳の外となっている春闘に、風穴を開ける取り組みを続けるとしています。
東京民報2024年2月18日号より