希望持てる都政に 都議会本会議 尾崎あや子都議が代表質問〈2024年3月10日・17日合併号〉

 都議会第1回定例会は2月27日、本会議を開き、小池百合子知事の施政方針に対する各派代表質問を行いました。日本共産党から尾崎あや子都議が立ち、2024年度予算案について、都民が物価高騰に苦しむ中、「都民の暮らしに無関心な小池都政の姿勢が表れている」として、「暮らしに希望がもてる都政への転換」の必要を強く訴えました。

代表質問に立つ尾崎都議=2月27 日、都議会

暮らし無関心な小池都政

耐震化助成を減額 自己責任の転換を

 尾崎都議は能登半島地震の大災害を受けて、首都直下地震の災害から都民を守るために、石原都政から続く「自助が一番、共助が二番、最後が公助で極力小さく」という姿勢からの転換が、求められていると強調。住宅耐震化助成の予算を減額(グラフ)した小池知事に対し、「自己責任だとする石原都政以来の姿勢からの転換が必要だ」として、同予算の拡充を求めました。

 尾崎都議は石川県輪島市の深刻な被害状況について、木造、非木造の計2万件の家屋調査の結果、「被害なし」は約80件のみで、残りは全て「全壊」「半壊」「一部損壊」だと紹介。住宅被害に関して小池知事の受け止めを問いました。

 また、都の住宅耐震化助成の予算5億円が一般会計予算のわずか0.005%にすぎないとし「『倒壊ゼロ』を目指し、耐震化工事の『自己負担ゼロ』も視野に入れ、予算は大胆に増額を」と求めました。

 避難所について、温かい食事の提供や段ボールベッドの確保、冷暖房環境などの課題が山積していると指摘。「学校体育館だけでなく、災害時にホテルなどを指定避難所にすることも検討すべきだ」としました。

 さらに、自治体リストラで職員を減らし、公共部門を縮小して「自助・共助」にまかせる「新自由主義」の政策が災害への対応力を弱くしているとし、公助の力、公共部門の力を強くするよう提起しました。

 耐震助成について小池知事は「都民の生命と財産を守るためには住宅の耐震化を進めていくことが重要だ」と答弁。谷崎馨一都市整備局長は「2024年度から耐震改修などの補助限度額を引き上げる」とし、額については、再質問に「地域などによるが、一例として10万円」と答えました。

給食の無償化へ 都は全額補助を

 新年度予算案に区市町村の学校給食費の負担軽減や都立学校の給食費無償化、所得制限なしの都立・私立高校、都立大学などの授業料実質無償化が盛り込まれたことについて、「都民の世論と運動、都議会での野党共闘の広がりと、日本共産党都議団の論戦や条例提案が、後ろ向きだった小池知事を動かした成果だ」と強調。

 その上で、学校給食費の都の2分1補助について「財政力の違いによる格差が生じる」とし、県が全額負担して全県の公立・私立の小中学校、特別支援学校などの給食費を無償化する青森県の事例を示し、都の全額負担による無償化を求めました(表)。

 小池知事は学校給食費について「国の責任と財源で無償化を実現すべきもの」との従来の考えを繰り返し、横山英樹・生活文化スポーツ局長は私立小中学校の給食費について「各学校において教育方針等を踏まえて判断するもの」と答えました。

国家並み財政力 暮らしに支援を

 都の財政規模はスウェーデンの国家予算に匹敵するうえ、都税収入は人件費抑制や円安による大企業の収益改善などによって、バブル期を超える史上最高水準が続いています。

 尾崎都議は「豊かな財政力を都民の福祉・暮らしを守り、地域経済を立て直し、広がる格差を是正するために使うなら、東京から貧困をなくし、都民の生活の質を格段に向上させる大きな可能性が開かれる」と強調。1日600円の食費で暮らす90代女性など、高齢者の厳しい生活実態を示し、知事の認識を問うとともに、高齢者の生活を支えるための経済的支援の強化を求めました。

 小池知事は「高齢者を含め、暮らしに余裕がないと感じている方がいると認識している」と述べましたが、支援強化への言及はありませんでした。

中小企業の支援 都の総力あげよ

 尾崎都議は「都民の暮らしを支え、経済の好循環をつくり出すためには、物価高騰を上回る賃上げがカギを握る」とし、中小企業が賃上げできる環境をつくるために、「特別チームを設置するなど、都庁の総力を挙げて取り組むこと」を提起しました。

 尾崎都議は国際競争力や都市間競争を声高に叫ぶ小池知事の経済政策について、「経済界ファーストの最たるもの。都の政策をゆがめ、多くの矛盾を引き起こしている」と批判。中小企業支援について、石原都政以来の伸びるところしか応援しない政策を極端に進めていると指摘。「雇用の7割を担う中小企業、町工場や商店街が地域の中で豊かに発展していける経済政策への転換が必要だ」と強調しました。その上で家賃や設備のリース代などの固定費への直接助成や燃料費補助、上下水道料金の減免などの支援、20年間開かれていない中小企業振興対策審議会、同じく11年間の雇用就業対策審議会に、中小企業の賃上げや物価高騰対策などについての諮問などを提案しました。

 小池知事は「賃上げなど労働者の処遇改善に向けた中小企業の様々な取り組みについて、経営や職場づくりの面から引き続き促進していく」と答えました。

街壊す再開発見直せ

 尾崎都議は小池知事が都民の声に耳を貸さず、「経済界ファースト」で進める再開発を見直すよう迫りました。

 尾崎都議は▽都と森ビルが進めた麻布台ヒルズ開発は、古くからの街を壊し、高さ325メートルの超高層ビルを建設。最上階マンション価格は200億円▽港区北青山3丁目再開発では都営住宅敷地4万平方メートルを差し出し、月額家賃最高200万円のマンションを建設する一方、都営住宅は580戸から300戸に―といった事実を指摘。「知事が進める再開発はグローバル企業や投資家、国内外の富裕層、デベロッパーのための東京大改造だ。都の政策で低所得者が居場所を奪われ、格差が拡大している」と追及しました。

 知事が施政方針で一言も触れなかった神宮外苑再開発で、「事業者はいまだにイチョウ並木の健全度調査結果を更新していない」と批判。再開発に向け土地・建物の権利関係を再編する事業者の「権利変換計画」を認可しないよう求めました。

 小池知事は答弁に立たず、谷崎都市整備局長は「権利変換計画の申請がなされれば、都市再開発法にのっとり適正に手続きを進める」と答えました。

 尾崎都議はこの他、気候危機対策、PFAS(有機フッ素化合物)対策、平和政策について質問しました。

東京民報2024年3月10日・17日合併号より

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