自民党の裏金問題をめぐる衆院政治倫理審査会に18日、下村博文元文部科学相が出席しました。下村氏は都議出身で、自民党都連の会長を一時期、務めるなど、東京の自民党重鎮の一人です▼下村氏が事務総長を務めた清和政策研究会(安倍派)では、政治資金パーティー収入のキックバック(還流)をめぐって、2022年4月に当時の安倍晋三会長が廃止を打ち出したものの、安倍氏の死去後に幹部の会合があり「復活」したとされています▼下村氏は1月の会見では「ある人から、還流分を個人のパーティーに上乗せして合法的に戻す案が示された」と発言していましたが、政倫審では「誰が最初に言ったのか覚えていない」としました。多くの問題で「承知していない」「分からない」を繰り返し、還流復活の経緯を説明しませんでした▼森、小泉、安倍、福田と2000年代以降、4人の首相を出し、自民党最大派閥として君臨してきた清和会。歴代事務総長が政倫審に出席したものの、どの幹部も裏金の経緯を「関わっていない」「知らない」というばかりでした▼清和会で還流の仕組みが始まったのは、森元首相が会長だった当時と見られます。偽証罪に問われる証人喚問で、森氏らを呼び真相を解明することが焦点です。
東京民報2024年3月24日号より