【新連載】日本共産党委員長 田村智子の国政レポート 政治の世界の「異常な当たり前」〈2024年3月24日号〉
- 2024/3/27
- コラム・オピニオン

新たな任務にたくさんの激励、期待の声をいただいています。国会の中でも、与野党問わず、女性議員から「おめでとう」「頑張って」と声をかけられました。国会は日本のなかで最もジェンダーギャップの大きい場所、現状をなんとかしたいと、多くの議員が思っていることが伝わってきます。
この2カ月、メディアの取材、報道関係者が企画する講演などが相次いでいます。そういう場で、大手新聞の政治部長だった女性から、自身の経験をつづった本を手渡されました。一気に読みました。
政治部記者の仕事は、有力な国会議員に朝から夜まで張り付くこと、夜討ち朝駆けの奮闘、女性ゆえにセクハラにあう危険と背中合わせの実態も、率直に書かれていました。読むうちにある思いが湧き上がりました。夜討ち朝駆けは、記者だけでなく、取材対象となる有力議員も男性であることを前提としたやり方ではないのか。ジェンダーの視点で見ると、政治の世界の「常識」が「異常な当たり前」であることが浮き彫りになります。
裏金事件を明るみにしたのは、しんぶん赤旗日曜版のスクープ記事でした。誰もが見ることのできる政治資金収支報告書を、粘り強く緻密に調査した成果です。政治の報道が、議員や官僚の思わせぶりな言葉の取り合いではなく、法案の分析、国会審議の深掘り、疑惑の調査報道になったら、記者の仕事も報道も、そして世論も、大きく変わるように思います。(参院議員・衆院比例東京予定候補)
東京民報2024年3月24日号より