予特委「発言権・質問権の侵害」 自民・都ファ・公明 発言削除を求める動議〈2024年4月7日号〉
- 2024/4/9
- 都政・都議会

都議会予算特別委員会は3月26日、自民党、都民ファーストの会、公明党が同委員会での日本共産党の福手ゆう子都議の質問を「虚偽」、立憲民主党の関口健太郎都議の質問を「不穏当」と決めつけ、速記録から削除を求める動議を多数で強行、可決しました。共産党、立民、ミライ会議3会派は「議員の発言権・質問権の侵害だ」として、反対しました。動議に強制力はなく、共産、立民両会派は拒否しました。
13日の同委員会で福手都議は、朝鮮学校だけ都の運営費補助が停止されている問題をめぐり、子どもの最善の利益を最優先に施策を行うよう都に求めました。関口都議は、都議会で小池百合子知事が批判的質問には答弁に立たないことを批判し、「答弁拒否」と指摘しました。
「削除理由ない」
動議の提出に対し意見表明をおこなった共産党の原のり子都議は「議員は、自らの責任で自由に発言することが保障されている」と強調。地方自治法で取り消し要件を「無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論」と厳しく限定し、都議会会議規則も「議題について自由に質疑し、意見を述べることができる」と、議員の発言を保障していると指摘しました。
その上で「地方自治法や会議規則に照らしても、削除する理由は全くない。動議は質問内容に立ち入って、虚偽と決めつけて削除を求めたもので、議員の発言権・質問権の侵害そのものだ」と批判しました。
3会派が共同会見
共産党、立憲民主党、東京ミライの3会派は26日、この問題を受けて都庁内で記者会見しました。
共産党の和泉なおみ幹事長は「議員の発言内容に立ち入って虚偽、不穏当と決め付け、削除することが押し付けられれば、民主主義は成り立たない」と強調。立憲民主の西沢圭太幹事長は「予算審議で知事の政治姿勢をただすのは当然。答弁拒否への批判を議会側が取り消すのは二元代表制の危機」だと断じました。ミライの米川大二郎幹事長は「議員の発言は重く、安易に多数決で取り消しを求めるのは都議会の自滅だ」と述べました。
福手ゆう子都議の質問で削除理由にあげたのは、朝鮮学校だけが停止となっている都の補助金復活を求める質疑の発言を巡ってのもの。福手都議は、虚偽を否定した上で、「朝鮮学校への補助金復活を求める質問が気に入らず、自分たちと相容れない意見を削除するもので許されない」と厳しく批判しました。
市民ら抗議集会
「立場の異なる都議の発言を削除することは許されない」。都議会予算特別委員会(3月26日)で、自民、都ファ、公明が、速記録から日本共産党、立憲民主党各都議の発言削除を求める動議を提出、可決したことに抗議する緊急行動が3月29日、都民団体主催で新宿駅東南口(新宿区)で開かれ、120人(主催者発表)が参加しました。
行動を呼びかけた市民や都議がマイクをリレー。市民連合の菱山南帆子さんは「不穏当だと言って発言を排除するのは議会とは言えない。人権、多様性を守れる都政を取り戻しましょう」と呼びかけました。
発言取り消しを求められた共産党の福手ゆう子都議は「今回の動議は市民の声を代弁する議員の発言権への重大な侵害」、立民の関口健太郎都議は「表現の自由の侵害で、二元代表制の危機だ」と訴え。グリーンな東京の漢人明子都議、新社会党都本部の嶋崎英治副委員長らも訴えました。
東京民報2024年4月7日号より