- Home
- 文化・芸術・暮らし, 都民運動
- 市民運動と音楽つなげよう 「公園でchill(チル)」を結成〈2024年4月28日・5月5日合併号〉
悲しい連鎖は終わり/暴力もレイプも終わり/わきまえることももうやめて/女たち誰のものでもない(「踊ろう女たち」)―軽快な振り付けでポップに歌い上げる3人の女性に道行く人の目が次々と留まります。石川優実さん(俳優)、ババカヲルコさん(シンガーソングライター)、宮澤もえみさん(俳優)からなる音楽ユニット「公園でchill」が4月13日の練馬フェミブリッジアクション(ことば)に参加。「女性の声で政治を変えよう」との意志をメロディーに乗せて伝えました。
女性デーに音源リリース
公園でchillは2023年夏から活動を開始。ハイヒールの強制ノーの声をあげKuToo運動の中心で活躍してきた石川さんが運動の中でババさんと知り合い、友人を通じてフェミニズムに興味がある宮澤さんと出会ったことをきっかけに、「シンガーソングライター、役者という表現者だからこそできる社会運動を楽しくしたい」と結成しました。
これまでフェミブリッジアクションや憲法集会などで歌ってきましたが、クリスマスイブの日にレコーディングを行い、今年3月8日の国際女性デーに正式に3曲の音源をリリース。この日のオープニングは振りに手話を取り入れた「踊ろう女たち」で、3人のレクチャーを受けた集会参加者も一緒に笑顔で踊りました。
歌の後には3人が女性差別を象徴する「マッチョ政治は」や、「女性ばかり給料が安いのは」「夫婦別姓を実現しない社会は」「共同親権は」などの政治的課題をコールすると、参加者が「イヤー」と声を返す一幕もありました。
演奏後のトークで石川さんが、(1946年に日本で初めて)4月10日は女性参政権が行使された日だとふれました。「女性が参政権を得て78年。当時の女性議員は8%で、今は9%。78年経ってもそんなもんかと驚きます。自分たちの生活と政治がつながっていることが実感できないという人が多いです」と問題を提起。「戦争反対などで男が学生運動をやっている裏で、女はおにぎりを握らされていたと聞いた。後ろに追いやられてきたジェンダー平等の問題を、女性たちの声で変えようと立ち上がり集会を開けている。未来は絶対に変わる」と訴えました。
ババさんが「岸田(文雄)首相はYOASOBI(音楽ユニット)を(訪米時に)都合よく政治利用していました。しかし、きゃりーぱみゅぱみゅさんが検察庁法改正に反対の意思を表明した時は、(SNSで)すごいバッシングがあって『ミュージシャンは音楽だけやっていろ』という圧がすごかった。そういうのを変えていきたいです」と語り、自身が作詞作曲した「マテキシダ」という曲を3人で歌い始めました。
サビの「マテキシダ」のところでは参加者も手拍子し、声を合わせて歌い、そのインパクトに行き交う人の足が止まりました。