志位「自衛隊は事実上、米軍の指揮統制のもとに置かれることは明らかだ」。岸田「主権国家として主体的判断のもとに行う」▼日米首脳会談(4月10日)で、自衛隊と米軍で指揮統制強化が合意されたことをめぐる、22日の衆院予算委員会での日本共産党の志位和夫議長と、岸田文雄首相のやり取りです。首脳会談の共同声明は、「作戦と能力のシームレスな統合」を目指すとしました▼米軍と自衛隊では、情報収集でも作戦立案でも、能力に圧倒的な差があります。ミサイル防衛を担う「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」一つとっても、岸田首相は日本のものは「米軍のIAMDとは別物」と強弁していますが、発射されたミサイルをいち早く探知し迎撃したり、敵基地を攻撃するシステムを、米軍と別に日本独自に整備するなど現実的ではありません▼さまざまな分野の研究者でつくる「立憲デモクラシーの会」も19日の声明で、「米国の判断で始めた戦争に、自衛隊は追認して出動するほかなくなる」と指摘しました▼日米首脳の合意を受けて、米政府は横田基地の司令官を現在の中将から大将に格上げし、同基地の機能強化を進めるとも報じられています。東京は、米軍が自衛隊を統制下に組み込む動きの最前線の一つです。
東京民報2024年28日・5月5日合併より