東京都の小池百合子知事が五輪選手村整備の名目で中央区晴海の都有地を公示価格の9割引きで三井不動産など11社と売却契約を結んだことは違法だとして損害賠償請求を求める住民訴訟の原告団(中野幸則団長)は、4月17日付で上告を棄却した最高裁に抗議声明を送付しました。
中野さんらは2017年、都に対して小池知事、舛添要一前知事、不動産会社らに1000億円余の損害賠償を求め東京地裁に提訴。地裁、東京高裁が請求を退けたため、最高裁に上告していました。
声明は、最高裁が第3小法廷で審理するとの通知書を送付した1カ月後の3月27日付で棄却決定をしたことに強く抗議しました。
原告は上告受理申立書で、都が市街地再開発事業で得た保留床の管理処分規定にすぎない都市再開発法108条2項の解釈を誤用し、都議会、財産価格審議会に諮らずに都有地処分をしたことは重大な過ちだと批判。民事訴訟法(318条第1項)で定める〝法令の解釈に関する重要な事項は上告審として事件を受理することができる〟との規定に相当すると強調しました。
1審、2審の法令解釈の誤りは、地方自治法237条2項(普通地方公共団体の財産の管理処分規定)を無効、死文化してしまう重要問題であり、地方自治の基本原則・地方自治の本旨を規定した憲法92条違反だ―としています。
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原告団は31日(金)午後1時半から、江東区文化センターで抗議集会を開きます。(岡部裕三・ジャーナリスト)
東京民報2024年5月12日号より