共同親権「加害的法律は廃案に」3回目の国会前行動〈2024年5月19日号〉
- 2024/5/18
- 都民運動

離婚後に親権を共同で行使する「共同親権」を導入する民法改定案に反対する国会前集会が8日夕方、開かれました。国会前での行動は3回目です。
冷たい雨が降りしきるなか、DV(配偶者などからの暴力)や虐待の被害者、弁護士、支援者らが集まり、「加害者に無限の武器を与え、多くの人の人生を真っ黒にする法案を絶対に廃案に」と声をあげました。
主催者あいさつで太田啓子弁護士は、「私たちが訴えてきたことが、衆参の国会審議を通じて、ほぼすべて取り上げられた。おかしい法案だということが多くの人に伝わり始めている」と強調しました。
参院で参考人質疑に参加した、山崎菊乃氏(NPO法人「女のスペース・おん」代表理事)と熊上崇氏(和光大学教授)もマイクを握りました。山崎氏は、「加害者に武器を与える加害的法律だ。多くのDV被害者などの命にかかわる」と批判。熊上氏は「元パートナーの合意がないと、子どもが引っ越しも、行きたい学校に行くこともできない。それが、子どもの利益になるのか」と指摘しました。
女性の人権や差別をめぐる多くの裁判にかかわってきた角田由紀子弁護士は、離婚する夫婦の親権をめぐる意見が合わなかった際は家庭裁判所が判断するとされていることについて、「全国的には、家庭裁判所の体制が非常に薄く、対応できない。また、DVの実態を知らない裁判官も多い。あらゆる面から考えて、絶対にこの法律を成立させてはならない」と強調しました。
ユーチューブで時事問題について発信する芸人「せやろがいおじさん」は、共同親権は被害者にとって「何度、逃げても加害者が追いかけてくる。ホラー映画のようだ」として、「『日本を守る』と軍事費を増やすより、DV被害者を守って」と語りました。
行動には、日本共産党、立憲民主党、社民党の国会議員や地方議員が多数、参加し、連帯あいさつしました。
東京民報2024年5月19日号より