介護の安心奪わないで 北区 報酬引き下げで影響調査〈2024年6月9日・16日合併号〉

 2024年度の介護報酬改定で、訪問介護サービスの基本報酬が2~3%引き下げられた問題をめぐり、日本共産党北地区委員会は5月30日、北区内の訪問介護事業者に実施したアンケート調査の結果を報告する記者会見を、TOKYO12HAUS(北区)で行いました。介護福祉士として現場を見てきた同党の田原聖子衆院東京12区予定候補、曽根はじめ都議、北区議が出席しました。

介護報酬の引き下げ撤回を求めた会見=5月30日、北区

 調査期間は、4月1日~30日の1カ月間。区内にある約90件の訪問介護事業所のうち、大手を除く49件を訪ね、23件から回答を得ることができました。

 アンケート結果を見ると、現在の経営状態について「とても苦しい」34.8%、「苦しい」43.5%で、78.3%の事業所が厳しい局面に立たされている実態が判明。4月からの介護報酬による収益の変化では、「とても苦しい」30.4%、「苦しい」52.2%と、82.6%が経営難に陥っている深刻な状況です。

 北区への要望や自由記入欄には、「基本報酬ダウンの影響は、さらなる人員不足を招く」「ヘルパーの高齢化と人材不足で閉鎖せざるを得ない」「若手が入らず、縮小している」「紙おむつ支給の要介護度を下げてほしい(北区は要介護3から支給)」など、悲痛な声が多数寄せられました。

 田原氏は、月平均200万円の赤字が続いている事業者が、「利用者に利用料を転嫁せざるを得ないと、涙をにじませながら話された」と報告。「訪問介護は登録型雇用という、不安定で低賃金な労働を前提に実施している」ことを問題視し、「常勤雇用への改善が必要」と主張しました。

 のの山けん区議は、「北区には200億円近い財政調整基金がある。国に対して引き下げの撤回を要望しつつ、直接的な支援を区に求めていきたい」と述べました。

東京民報2024年6月9日・16日合併号より

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