DV被害者の意見聴取を 共同親権 3団体が法務省に要請〈2024年6月30日号〉

務政務官(右から3人目)に要請書を手渡すメンバーら=20日、千代田区

 離婚後も父母の双方が未成年の子どもに親権を行使する「共同親権」の導入を柱に盛り込んだ改正民法が、反対の声を押し切り、5月17日に参議院で可決、成立したことをめぐり、「#ちょっと待って共同親権プロジェクト」「離婚後共同親権から子どもを守る実行委員会」「共同親権について正しく知ってもらいたい弁護士の会」の3団体は20日、岸田文雄首相や関連省庁に宛てた「民法等の一部を改正する法律」についての要請書を、法務省内で中野英幸法務政務官に手渡しました。改正法は2026年までに施行される見通しです。

 共同親権は、審議過程で多数の不備や、命を脅かす危険性が判明しました。3団体は、衆参両院の各法務委員会で採択された付帯決議に基づき、今後、関連省庁でガイドラインの検討が予定されていることを踏まえて要請書を提出。法改正の対象となる当事者が、配偶者からのDVや子どもに対する虐待など、さらなる被害を受けることのないよう法整備を訴えました。

 要請書では、▽検討プロセスにDV・虐待の被害当事者と支援者を参画させる▽離婚・別居後のDV・虐待・法的な嫌がらせの実態把握のため、体系的な調査の実施▽ガイドラインやQ&A等の確定前に、専門家や当事者の意見を聴取・反映する▽当事者の不安・危惧リストへの文書回答―など、6項目を求めています。

 当事者の不安・危惧リストには、「DV加害者は認知のゆがみがあり、子連れ避難を『連れ去り・誘拐』と言い、虚偽DVと非難する」「進学や転居、習い事などに両親の印鑑(サイン)は必要か」など、不安や疑問の声が膨大に寄せられています。

東京民報2024年6月30日号より

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