都知事選が20日に告示しました▼現職の小池知事は、告示日は街頭での演説に立ちませんでした。都庁近くの事務所に30人ほどを集めて、オンライン配信による「第一声」です▼知事本人は4月の衆院補選で、街頭での妨害があまりにひどかったことを理由にしていますが、他陣営はさまざまな工夫をしながら街頭に立っています。1153万人の有権者が、一人を選ぶ日本最大の地方選として、あまりに異例のスタートです▼小池氏の選挙戦術について、ある大手新聞には、「側近」による「現職の強みを打ち出して『横綱相撲』をとる」とのコメントが載っていました。「横綱」なら、挑戦者たちに堂々と胸を貸し、討論や街頭演説の場に積極的に出て、都政と都知事選への有権者の関心を高めるよう努めるのが、本来の姿でしょう。公務を理由に、街頭にもほとんど立たず、候補者同士の討論会も出席を絞る「ステルス選挙」は、相撲でいえば、せいぜい「猫だまし」とも言うべき奇襲戦法です▼都議会答弁でも、小池知事は、都合の悪い質問ははぐらかしたり、局長に答えさせるのが常とう手段です。「都民が決める。都民と進める」という小池知事1期目の公約からかけ離れた都政運営を切り替えることも、都知事選の焦点です。
東京民報2024年6月30日号より