強権的な土地買収可能に 共産党都議団 運用方針の改悪で会見〈2024年7月14日号〉 

 大型道路の新設・拡幅など、東京都建設局が用地買収を行う際、国が定める土地収用法に基づく「建設局土地収用制度適用基準」の運用方針が改定されたことをめぐり、日本共産党都議団は2日、独自調査や情報開示請求で入手した開示文書により明らかになった改定内容の詳細を、都庁で開いた記者会見で公表しました。

開示文書を基に会見する共産党都議団=2日、都庁

 白石たみお都議の説明によると、都議会第1回定例会が閉会した翌29日付で、都は運用方針を変更。これにより、「事業用地の取得は、任意折衝による円満解決を原則とする」という方針が削除され、都が「事業の早期完成のため緊急を要する場合や事業効果の早期発現に支障がある」と判断した場合には、「土地収用法に定める手続きを進める」としています。

 白石都議は、「土地所有者の意思に関わりなく、強制的に土地収用手続きを進める強権発動ができる」と指摘。重大な変更でありながら、都は議会、都民、地元自治体に報告もなく、同都議団の問い合わせに対しても隠してきたとして、「小池都政そのものがブラックボックス」だと批判しました。

 小池知事は今年度予算の知事査定で増額し、都の建設局用地部に事実上の地上げ部隊「機動取得推進課」を63人体制で設置。都が防災を口実に計画しているものの、住民の反対で思うように進捗しない特定整備路線の整備を喫緊の課題として、改定後の運用方針で強権的に取り組む構えです。

 今年度は8路線101区間に、機動取得推進課から人員が集中投入される予定。その内、豊島区内の補助82号線、補助81号線、補助26号線への大量投入が、資料から読み取れます。米倉春奈都議は、「補助82号線が通る区域は普通の住宅街だ。そもそも選定の仕方自体も、局から聞き取りをしてもまったく見えてこない」と述べました。

 用地取得の方針は、建設局が行う用地買収全体が対象。特定整備路線のほか、骨格幹線道路、善福寺川上流調整池(仮称)、石神井川上流地下調節池などが重点事業とされています。

 白石都議は、「多くの都民に深刻な影響が及ぶ、都民いじめの方針変更だ。財界ファーストの自民党政治そのもの」と強調しました。

東京民報2024年7月14日号より

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