都知事選/都議補選 数字が示した共闘の力「逃げた票」に根拠なし〈2024年7月21日号〉

 「連合」の芳野友子会長が都知事選で蓮舫候補が3位にとどまったことに関連して、「共産党が前面に出すぎ、逃げてしまった票があったのではないか」と発言(11日)し、立憲民主党に共産党との連携見直しを迫ったと報道されています。現実はどうなのか-。

 「何を根拠に『票が逃げた』というのか。根拠を示してほしい」。日本共産党の小池晃書記局長は11日の記者会見で、芳野会長の発言を厳しく批判しました。

 蓮舫選対で指揮にあたった立民の手塚仁雄都連幹事長が選挙直後に「共産の皆さんには感謝の思い以外、一切ない」と語り、長妻昭都連会長も11日の会見で「私はそういう考えではない」と明言。また岡田克也立民幹事長も9日の記者会見で共産党との連携が「足を引っ張ったとは思っていない」と述べています。

 小池氏は立民幹部のこうした一連の発言をあげたうえで、「選挙をたたかった人たちは共通して芳野氏とはまったく違う見方だ」と指摘。さらに、蓮舫氏自身が開票日の会見で「共産党をはじめ多くの方の力をいただいたのは私の財産」と語り、市民連合の菱山南帆子さんがX(旧ツイッター)で「今回の応援弁士、ほとんど立憲の国会議員や都議ばかりだった。共産党の人たちはビラまきばかりしてたよ」と述べていることも紹介。

 その上で「『共産党が前に出すぎて票が逃げた』というような選挙では全くなかった。何の根拠も示さずに、共産党のせいにすれば何でも通用するというレベルの低い発言だ」と強調。「だいたい連合東京は小池百合子氏を『支持』したではないか。対立候補を応援された方に、とやかく言われる筋合いではない」と述べました。

小池知事から74万票「逃げる」

 蓮舫氏は市民と野党の共闘の強い願いに応えて立候補を決意。得票は128万3262票(得票率18.81%)、291万票余りを獲得した小池百合子氏には大きな距離はありました。しかし4年前に市民と野党の共同候補で出馬した宇都宮健児氏の得票84万票(同13.76%)に比べると、得票数で1.52倍、得票率も5.05ポイントの前進で、3位とはいえ大健闘でした。

 一方、連合東京が支持した小池百合子知事は、前回より74万3356票を減らし、得票率は59.7%から42.8%へと16.9ポイントも下落する結果でした。そもそも芳野氏は「逃げた票」について「とやかく言う」相手を、180度取り違えています。

示されたのは共闘の前進と力

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