アメリカのバイデン大統領が21日、11月の大統領選からの撤退を表明しました▼名前の言い間違いや、意味の通らない発言が多く、米メディアで「トラジェディー(大惨事)」と報じられた6月27日のテレビ討論会から1カ月弱。交代を求める世論の高まりが、異例の決断を現職大統領に促す過程は、国民の分断など諸問題を抱えつつも、より良い政治指導者を選挙戦を通じて選ぼうという、米国の民主主義のダイナミズムを感じさせます▼ひるがえって7月の都知事選では、現職が討論の場から逃げ続けたことで、政策論争が深まりませんでした。数少ない討論の場でも小池知事は、焦点となっている神宮再開発で、内苑を「自然林」と事実誤認するなど、「失言」を繰り返していました▼本来は、選挙中もさまざまな公開討論で、知事としての資質を各候補が問われるべきですが、小池氏は討論から逃げ続け、メディアもそれを許してしまいました▼国政をめぐっても、自民党の裏金問題で、先の通常国会で成立した政治資金規正法改定は「再発防止にならない」の声が、世論調査で圧倒的です。自民党に、裏金体質を変える力がないなら、次は自民党政治そのものを終わらせること。日本の民主主義のダイナミズムが問われています。
東京民報2024年7月28日号より