シルバーパス 更新方法変更で周知不足 共産党都議団 改善を申し入れ〈2024年8月4日号〉
- 2024/8/3
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70歳以上の都民が、都内の民営バスや都営交通などに乗車できるシルバーパスの一斉更新が行われています。今年度は原則郵送で、1000円パス(住民税非課税または合計所得135万円以下が対象)更新者全員に所得確認を実施するとしています。これまでとは異なる手続き方法なのに周知不足のために疑問や心配の声が多く聞かれ、苦情や問い合わせが殺到している役所もあるほどです。日本共産党都議団は7月25日、小池百合子知事あてに改善を申し入れました。
問題が起きた要因について①更新手続きの案内が届いてから提出期限までの期間が短い②所得確認書類として活用する「介護保険料納入(決定)通知書」が本人の手元に未着だったケースが少なくないこと③原則として臨時更新会場がないために地元の役所に問い合わせざるを得ない―などを挙げています。
申し入れでは、「期限までに手続きをしなければ1000円パスを受け取れないのでは」との不安が広がったと指摘。「今回の更新手続きについて出されている声からも改めて、シルバーパスが高齢者の暮らしにとっていかに大切なのかが分かる」とし、より使いやすい制度にしていくことが必要だと強調しています。
更新手続きを巡る具体的な申し入れは▽提出期限を過ぎても更新可能なことを具体的に周知する▽所得確認書類として介護保険料納入(決定)通知書を使う場合、通知書が届いてから手続きすればよいことを全対象者に周知する▽問い合わせに東京バス協会のシルバーパス専用電話(03‐5308‐6950)が対応していることを改めて周知する▽通知方法は改めて個別に通知、ホームページに掲載、各自治体の役所に掲示し、チラシも置く▽利用者の意見を聞き、来年度に向けて改善する―など。
あぜ上三和子都議は「(地元、江東区の)町中では更新手続きの話題で持ちきりになっている。コンビニには介護保険料納入(決定)通知書をコピーする高齢者の長い列ができていた。問い合せの電話がほとんど通じないと困っている人もいる。ホームページを見られない高齢者も多くいるので、チラシの郵送などで周知してほしい」と求めました。
応対した福祉局高齢者施策推進部の佐々木慎吾在宅支援課長は、来年度の更新手続きの改善について「分かりにくい部分などについては、今年度の実施状況を踏まえて考えていきたい」と述べました。
知事公約の具体化進めよ
小池知事は先の都知事選で「シルバーパスの改善」「多摩モノレールをシルバーパスの対象に」と公約しました(東京大改革3.0)。日本共産党が都議会で繰り返し求め、知事選では蓮舫候補も公約に掲げました。小池知事も公約せざるを得なくなりました。
申し入れでは「具体的に何をどのように改善していくのか早期に示し、具体化を進めるべき」だと求めました。具体的には▽都の財政力を活用し、希望する全高齢者を無料にする(1000円パス対象者以外は現在20510円)▽多摩都市モノレール、ゆりかもめ、全てのコミュニティバスで利用できるようにする▽都県境を越えるバス路線でも適用―などです。
清水とし子都議(日野市)は「地元では路線バスの減便・廃止が多くなっている。初めて知事公約に多摩モノレールも対象にすると掲げたので早期実現を期待している」と述べました。
東京民報2024年8月4日号より