給食無償化、全額補助を 日本共産党都委 各分野で議員団と要請〈2024年8月4日号〉

 日本共産党東京都委員会、都議団、区市町村議団は7月26日、小池百合子知事宛てに学校給食費の無償化や有害な有機フッ素化合物(PFAS)対策の強化、物価高騰・猛暑から都民の命と暮らしを守る対策、若者の家賃補助など各分野で要請を行いました。

都に要請する都議、地方議員ら=7月26日、新宿区

 学校給食費の無償化で、都の補助が費用の2分の1のために、財政負担が大きいことから、区部では全23区実施なのに対し、多摩・島しょ地域では5月時点で全39市町村中、15市(予定の4市含む)4町7村にとどまり、無償化できない自治体が生まれています。

 要請では多摩格差をなくし、全ての自治体で無償化できるよう全額補助を求めました。

 国立市の住友たまみ市議は「何度も市長に無償化を要請しているが、都の無償化予算が単年度予算になっているので、来年度以降も継続的に無償化できるのか心配だとの声があった。23区に比べ多摩地域は予算が足りない。全額補助をお願いしたい」と要望。

 小金井市の水上洋志市議は「市の周辺自治体が全て無償化となり、保護者からなぜ無償化できないのかとの声が出ている。市長は都の補助が1年限りで終わるのではないかをやらない理由に挙げている。学校の建て替え整備もあるので優先度をつけてやっていきたいとも言っている。全額補助をぜひ検討してほしい」と訴えました。

 また教育関係では▽正規教員の加配で中学3年生まで35人学級の早期実現▽学校の普通教室などのエアコンの更新、特別教室等、体育館、武道場、給食調理室へのエアコン設置改築や大規模改修を待たずに早期に行う施設の断熱化への支援・拡充―を求めました。

PFAS対策 汚染源特定を

 議員団はPFAS対策を強化し、汚染源の特定や汚染実態の把握を求めました。汚染源として疑われる米軍横田基地(福生市など多摩地域)に直接調査を行うよう要望しました。都の水質調査について、PFASの代表物質のPFOS、PFOA、PFHxSを区分して公表するよう求めたのに対し、都環境局の担当者は、都のホームページで区分して公表するようにしたと説明。これまでも共産党都議団が強く求めてきたものです。

 PFASは発がん性が疑われ、航空燃料火災用の泡消火剤やフライパンの表面加工、半導体製造などに使われている合成化学物質で汚染が全国で明らかになり、深刻な事態となっています。

 PFASの一部であるPFOSは2009 年、PFOAが19 年に残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)で製造と使用が原則禁止となりました。締結国である日本もPFOSは10年、PFOAは21年に原則禁止となっています。

 小平市のほそや正市議は「都の予算は1400万円しかないために、市内12カ所の調査箇所では少ないという声がある。市長会の最重点要望としても出ている調査予算を拡充してほしい」、あきる野市の関口えり子市議は「市民団体が行った血液検査でアメリカ(アカデミー)の基準を超えるような高い数値がでている。原因は何なのか、誘致した企業が影響しているのか不安がある。原因の究明をしてほしい」と訴えました。

 また、議員団は低所得の若者支援として、家賃補助や若者向け公営住宅の創設を要望。杉並区の小池めぐみ区議は「23区では3年間で742人の若者が孤独死している。一定のお金がないと都内で家族と暮らしていけない。都は若者に住み続けてほしいと思っているのか」とただしました。

 議員団はまた、シルバーパスの拡充や猛暑対策として低所得者世帯へのエアコン購入などの補助や生活保護世帯への電気料金支給の加算なども求めました。都側は要望事項に関係する部局の担当者が応対しました。

東京民報2024年8月4日号より

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