日米の外交・軍事担当閣僚による会合「2+2」が7月28日に開かれました▼共同発表では、横田基地に米軍が「統合軍司令部」を置くことを盛り込みました。これまで同基地の司令部の機能は、基地の管理などに限られていたのが、インド太平洋軍司令部が持つ作戦指揮権の一部を担うことになります▼自衛隊も今年度中に、陸海空の自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を立ち上げる予定です。両司令部がカウンターパート(対応組織)として、平時から戦時まで共同訓練や共同作戦を行おうというものです▼軍事的な実力でも、情報量でも、圧倒的な優位性を持つ米軍の指揮下に、自衛隊は事実上、組み込まれる道です。米紙ワシントンポストは、2+2の開催を前にした報道で、米軍が韓国軍の指揮権も持つ米韓同盟を念頭に、「日本では、米軍の司令部が持つのは米軍への指揮権だけだが、目指すゴールは『二つの軍がシームレスに同時に指揮されること』」という防衛関係者のコメントを報じています▼会合では、武器の日米共同生産や、空港や港湾の共同使用推進、核戦力による拡大抑止の強化なども提起しています。日米一体で「戦争する国」へと歩むことは、東アジアの緊張をさらに高めることにしかなりません。
東京民報2024年8月4日号より