三鷹市の国立天文台の緑豊かな敷地内に小学校を移転させる市の計画を巡り、地元に住む小学2年生、えいと君(8)が「自然を守ってください」との市長への要請署名を始めました。
17・18日にはJR三鷹駅前で署名活動を行い、彼に賛同した子どもたちや保護者らが参加して、道行く人たちに呼びかけました。
「ぼくの住む三鷹市は人のすむところに自然が少しあるなとかんじました。のこっている自然を大切にしていきたい。ぼくたちのみらいのために天文台の自然を守ってください」。えいと君の訴えです。
同市は市南西部にある国立天文台の北側ゾーン4.8ヘクタール内に、2つの既存小学校を移転・統合し、天文台に隣接する第七中学校を含め新たな小中一貫教育校を展開する構想を提示。多世代が集う交流の場と地域防災拠点をつくる計画です。
同地域は桜やムクノキ、エノキなど約1000本の樹木が生い茂り、野生動物も生息する豊かな自然が残る土地として知られます。自然破壊を心配する住民からは、「計画を撤回し、自然を保護してほしい」との声が上がり住民運動も広がっています。
気がついたよ!自然は貴重だと
自然や星が大好きで、よく天文台を訪れるという、えいと君。自分の住む三鷹市のことをよく知りたいと、市内のあちこちに出かけ、市議にもインタビュー。その中で市の計画を知りました。
えいと君は今夏、米カルフォルニアでゴミ拾いのボランティアに参加し、そこに住む人たちが豊かな自然を守るために行動していることに感動しました。日本に帰ってくると、自分の周りには自然が少なく貴重だと気が付きました。天文台周辺の自然を守りたいという思いを強くしました。母親(39)もえいと君のその思いを大切にしたいと、生まれて初めてでしたが署名活動をサポートすることにしました。
8月から始めたネット署名には2200人近い賛同が寄せられました。
えいと君は17日、彼に賛同した子どもたちや保護者らとともにJR三鷹駅前に立ちました。「天文台の自然を守って」と子どもたちが書いたプラカードを掲げ、「署名をお願いします」と声をいっぱいに張り上げました。
えいと君と同級の妹と一緒に参加した、あらた君(11)は「自然があるから人間は豊かな暮らしができるので、なくしてはいけない」ときっぱり。小学校移転跡にショッピングモールが誘致される計画には「ショッピングモールは他にもたくさんあるから、いらない」と、明快です。
東京民報2024年8月25日号より