岸田首相が14日、9月の自民党総裁選に立候補しないことを表明しました。会見で岸田氏は「自民党が変わることを示す最もわかりやすい最初の一歩は私が身を引くこと」と語りました▼自民党は今年3月、裏金問題をめぐって「解体的に出直す」との運動方針を掲げています。「最初の一歩」との言葉は、この半年間、抜本的な改革に背を向けたままだったことを、図らずも実証しています▼「自民党をぶっ壊す」と繰り返した小泉元首相をはじめ、政権の危機を迎えると、改革ポーズで表紙を差し替えることを繰り返した自民党。今回の総裁選も同じ狙いが透けて見えるものの、取り沙汰される候補者の誰もが、裏金問題の徹底的な究明には後ろ向きです▼自民党総裁選に向け、大手メディアでは、趣味や食事の内容、誰が有力かなど、候補者の一挙手一投足を伝える動きが加熱しています。自民党政治の検証抜きの報道に白けるとともに、こうした取材の情熱の何分の一かでも、都知事選に向けた報道に傾けてくれていたらと、そんな嘆きを覚えるのは筆者だけではないでしょう▼総選挙を見据え、立憲民主党の泉代表と、日本共産党の田村委員長の会談も開かれました。裏金政治を止めるのは、自民党政治を終わらせる共闘の力です。
東京民報2024年8月25日号より