「金属の脆弱な部分が致命的な墜落を招いた可能性がある」ーAP通信が昨年11月に屋久島沖で起きたオスプレイの墜落事故について報じた記事です▼AP通信は、米軍の内部文書をもとに、墜落を引き起こしたギアの破断について、最終確定したわけではないとしたうえで、X‐53VIMVARと呼ばれる合金に製造過程で混じった、ごく微細な不純物が、破断の原因となった可能性を報じています。今回のギアで破断が起きたのは初めてではあるものの、同じ合金が使われた別のギアでは過去に7度のひび割れが起きているといいます▼米軍の事故調査報告書は、二つあるエンジンのうち左側の動力をプロペラに伝える、PRGBと呼ばれるギアボックス内で破滅的な故障が起きたとしています。異常を伝える警告が繰り返し出たのに、パイロットらが軽視して飛び続けたことも事故の要因としました▼日本は米軍の対策と報告書を評価し、オスプレイの飛行を容認しています。AP通信は、ここ10年ほどで、51機ある空軍オスプレイで132回、360機購入された海兵隊オスプレイで464回もの、PRGBの修理があったことも指摘しています▼トラブルが相次ぐ「欠陥機」が日本の空に飛び続ける危険性は、明らかです。
東京民報2024年9月1日号より