朝鮮人虐殺 今年も追悼文送らず
1923年の関東大震災から101年目となる1日、台風10号による影響で開催が危ぶまれる中、関東大震災後に虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式が規模を縮小して開かれました(主催=実行委員会)。東京都の小池百合子知事に追悼文の送付を求めていましたが、今年も送付しませんでした。
関東大震災後には「朝鮮人が暴動を起こす」などのデマが流され、数千人といわれる朝鮮人らが軍や警察、自警団によって虐殺されました。
74年以降毎年開かれる追悼式典には歴代知事が追悼文を送付。小池知事は就任直後の2016年に追悼文を出しましたが翌年から拒否しています。
小池知事は実行委員会から追悼文送付を求められていることについて、8月30日の定例会見で「都知事として先の関東大震災及び大戦で犠牲となられた全ての方々への哀悼の意を表している。震災による極度の混乱下での事情で犠牲となった方々も含め、全ての方々に対して慰霊する気持ちを改めて表す」と、これまでと同じ見解を示し、虐殺の事実については触れませんでした。
都議会超党派 追悼文送付再開を
日本共産党都議団、グリーンな東京、都議会生活者ネットは8月29日、「史実を黙殺し、都自身が積み重ねた反省を投げ捨てる恥ずべき行為」「史実に向き合い、重要な災害教訓としても継承すべき」だとして、追悼文の送付再開を強く求めました(写真)。
佐々木珠建設局公園緑地部長らが応対し、「適切に、速やかに知事を含む関係部署に伝える」と答えたものの、事前に約束していた知事からの返答については明言を避けました。
7・8月 猛暑で家計支出増
帝国データバンクは8月26日、7・8月の東京都の家計支出が平年より約390億6300万円、世帯あたり月約3122円増えるとの試算を公表。猛暑の影響でエアコンなどの冷房機器、飲料水やアイスクリームの購入が拡大しました。
調査は7・8月の平均最高気温が平年並みだった場合と比較し、各種統計データに基づいて実施。平均最高気温が33.5度だった7月は世帯支出が2621円、同33.4度と見込まれる8月は3623円で、各月とも増えると試算。内訳で目立ったのが「家具・家事用品」がエアコンの買い替えを中心に2カ月で83億6700万円、「食料」は149億3700万円増加すると試算しました。
東京民報2024年9月8日号より