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「気候危機は打開できる」 温室効果ガス 60%削減の実行プラン〈2024年9月8日号〉
- 2024/9/10
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日本共産党東京都委員会と日本民主青年同盟東京都委員会は8月31日、気候危機打開セミナーを豊島区の同党都委員会会議室でインターネットを結んで開きました。10回目となる今回は、同党都議団と吉良よし子参院議員が6月に発表した、気候危機打開に向けた政策提言「東京2030 脱炭素60%実行プラン ver.1.0」について、都議団気候チームのメンバーである米倉春奈都議が解説しました。
米倉都議 資本主義が根本原因
緊迫する気候危機
同プランは2030年までに東京から気候危機の原因となる温室効果ガスを60%削減することを目標とし、そのための実現可能な対策を示しています。
米倉都議は「気候危機対策が遅れると今年の夏が最も涼しい夏になってしまうほど緊迫している。国連は2030年までの取り組みが大事で、この10年の取り組みが数千年先まで影響すると警告している」と語りました。
日本政府の取り組みについて、主な温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)排出量が世界5番目なのに、化石燃料の延命を図ろうとし、真剣な取り組みをしていないと批判。
小池都政もまた、CO2排出削減にとって重要なエネルギー問題を検討するために専門家から意見を聞く会議体に、「石炭火力は日本の強み」と主張する専門家を集めて設置したり、エネルギー消費とCO2排出を激増する大規模再開発を推進し、樹木を大量伐採して公園をつぶすなど、「政府とともに気候危機対策に逆行するグリーンウオッシュ(環境配慮を印象付けようとする見せかけの)政策を進めている」と指摘。
都が掲げる2030年までに2000年比50%削減という温室効果ガス削減目標に対し、22年度実績はわずか4.4%削減(速報値)という到達点を挙げ、「このままでは目標とする(産業革命以前と比べて)気温上昇を1.5度に抑えられない」と語りました。
政治のやる気で
米倉都議はまた、気候危機対策を進めていく上で「自民党政治と一体の小池都政の『財界ファースト』が最大の弱点」と指摘する一方、「東京には危機打開の大きな責任とポテンシャルがある。今すぐ対策を取れば2030年60%削減は可能だ」と強調しました。
その上で実行プランが提起する重要なポイント▽大企業の排出削減義務のレベルアップや石炭火力・原発からの撤退▽命を守る断熱、省エネ・再エネの本格的な普及▽再開発を規制し、公園や緑を守り、生物多様性あふれる東京▽気候危機打開と地域経済振興をセットで進める▽「気候正義」を実現してこそ危機に打ち勝てる―などについて詳しく説明。
再生エネルギー100%や低所得の人の住まいの断熱・省エネ対策、農地などのソーラーシェアリング、高木の枝葉が地面を覆う樹冠被覆率の目標をもって樹木を増やす外国都市など、国内外の先進例を紹介。
オフィスや人口が日本一集中する東京において省エネの余地は大きいとして、「事業所の9割以上を占める中小・零細企業の取り組みへの支援、命に直結する住宅の断熱や省エネ機器購入への支援を抜本的に強化すべきだ」と強調。「東京の電力消費の8割を東京でつくった再生エネルギー電力で賄える可能性がある」とする具体的データも例示し、政治がやる気になれば気候危機を打開できると重ねて強調しました。
未来社会を目指し
米倉都議は「もうけ最優先の資本主義こそが気候危機の根本原因。CO2削減目標の達成へ力を合わせて頑張ると同時に、気候危機を根底から克服する未来社会を目指し、希望を広げるために頑張りましょう」と呼びかかけました。
会場参加者やオンライン視聴者から「賃貸住宅の断熱化をどう進めていくのか」「日常の生活の中でできることを教えてほしい」「なぜ都は緑を減らすのか」「温暖化が進むと食糧難で戦争が起こるのではと不安」など、質問が相次ぎ、米倉都議が答えました。
「気候危機対策を進める上で、日本固有の障害はあるのか」との質問には、「日本の政治の特徴として科学に対する真摯(しんし)さが欧州に比べて欠けている。同時に行き過ぎた大企業中心という政治のゆがみがあり、気候危機の問題をメディアが十分に取り上げてこなかったことも選挙の争点にならない要因にもなっている」と答えました。
「私たち一人ひとりは何をすべきか」との質問には、「気候危機を学び、問題意識を共有できる人を増やすことと同時に、日本の政治のゆがみをただすのは選挙。気候危機打開のために頑張る共産党を大きくしてほしい」と呼びかけました。
東京民報2024年9月8日号より