日本列島を騒がせた台風10号。史上最大クラスの豪雨を各地にもたらしたうえ、ほぼ同じ場所に停滞するなど進路も過去にないもので、被害が各地に発生しました。週末の予定が立たずヤキモキしたという人も多くいるでしょう▼台風の巨大化や進路の変化の一因ともなっているのが、異常気象です。日本付近の海水温度が上昇したことで、台風が勢力を弱めることなく日本に近づくなど、巨大で勢力の強い台風が発生しやすくなっていると指摘されます。今回の台風10号の迷走も、温暖化の影響で上空の偏西風が弱まっていることも、一つの要因とされています▼気象庁は2日、日本の6〜8月の平均気温が平年より1.76度高く、昨年と並んで、1898年からの観測史上、最高だったと発表しました。熱中症のリスクの増加や、水産業・農業の生産への影響など、異常な暑さは社会にも大きな影響を与えています▼気候対策を求めて活動する若者団体フライデーズ・フォー・フューチャー(FFF)東京はSNSで、「#この豪雨は気候危機」のハッシュタグ(検索目印)をつけて、気候危機に向き合うよう発信しています。地球環境の未来に危機をもたらしているのは、持続性を無視した資本主義の大量生産と大量消費の経済です。
東京民報2024年9月8日号より