貧困支援の現場は今 練馬あったかフードバンク 物価高で急増するSOS〈2024年9月15日号〉

 生活に困窮している人たちに食料などを提供するフードバンク。コロナ禍が以前ほど話題にならなくなってからも活動を継続しているフードバンクのなかには現在、かつてないほど多くの人が支援を受けに訪れる状況も生まれているところもあるといいます。貧困支援の現場に何が起きているのか。練馬区で活動する練馬あったかフードバンクのメンバーに聞きました。

8月4日に開いた第21回フードバンクのスタッフ(練馬あったかフードバンク提供、下の写真も)

 8月末の一週間は、毎日、1~2件、緊急のSOSの連絡が来る状況でした。『1日2食を家族2人で分けて食べている』とか『1日1食に抑えてしのいでいる』とか、どれも深刻で、自転車で食料を届けても、またすぐに別の依頼が来る、そんな毎日でした」―練馬あったかフードバンクで、X(旧ツイッター)を通じた、支援依頼の受け付けを担当する高阪由紀江さんは、スマホの画面上に並んだ、助けを求める文面を見ながら話します。

 数カ月に1回のフードバンク、その間の月に行うお米のみの配布の他に、同フードバンクの特徴的な活動が、地域の人が緊急の支援を求めてきたときに、希望の食料や物資を自転車で届ける「戸別配達」です。

 8月末に依頼が急増した背景を、高阪さんは「利用者の話を聞くと、(仕組み上、2カ月遅れになる)電気代の6月分が、8月に請求が来たことが大きいようです。家賃と水光熱費は何とか支払ったものの、生活費がカツカツで、食費が足りなくなって相談してきたのでしょう。さらに電気代が増える7月、8月分の請求が来る来月、再来月はどうなってしまうのか、今から心配」と話します。

女性の割合高く

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