スーパーの米売り場などでの、深刻な米不足が続いています。店頭から米が消えて、「令和の米騒動」とも言われています▼8月半ばごろから始まった米不足。外食産業などでの需要が回復に転じたことなどを背景に、南海トラフ地震の臨時情報を受けた、国民の防災備蓄の意識の高まりが引き金となったとも言われます。ようやく米が買えても、通常より高値の傾向です。物価高騰で生活が苦しくなっているなかで、米の値上がりはさらなる打撃となっています▼政府の対応は、鈍さが目立ちます。「米の需給がひっ迫しているとは考えていない」との立場を繰り返し、秋には新米が出回って品薄感が解消されると、緊急対策に後ろ向きです▼問題の大本には、米は国民の主食であるにもかかわらず、市場価格任せで価格の乱高下を許し、安定的な流通に責任を持たない自民党農政があります。2021年には、コロナ禍による需要の大幅減で、米価が暴落し、農家が「米作って飯食えねえ」と訴える事態を招いたばかりです▼農業人口は、2000年の240万人から24年111万人に半減しています。わずかの需要の変化が、米の流通に大混乱を招く事態を変えるには、価格と所得の補償で農家が安心して米を作れる農政が必要です。
東京民報2024年9月15日号より