石破首相が4日、国会で初の所信表明演説に臨んだのに続き、代表質問などの論戦が行われました▼目立ったのは、自民党総裁選での石破氏自身の発言からの変節です。過去に「やらない理由が分からない」とまで言って、前向きな姿勢を示していた選択的夫婦別姓について、「国民の間に様々な意見がある」と慎重姿勢に。格差是正のため富裕層に対する金融所得課税の強化に言及したことをめぐっても、「具体的に検討することは現時点で考えていない」としました▼「国民の納得と共感を得られる政治」を掲げた所信表明では、空々しい言葉が目立ちました。自民党の裏金問題では、具体的な方策を示さず、「議員一人ひとりに反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げる」というだけ。「社会のあらゆる組織の意思決定に女性が参画することを官民の目標に」と語りましたが、自身が組閣した内閣に入った女性はわずか2人です▼世論も、石破氏の変節ぶりに厳しい目を向け、内閣の支持率は発足直後としては、この間の内閣に比べても、かなり低い数字となっています▼総選挙は15日の公示が目前。党内で「疑似政権交代」を演出しても、政治の転換の方向も示せない自民党政治に、大本からの転換を迫る選挙です。
東京民報2024年10月13日号より