
発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の一種PFOSを含む水が、米軍横田基地(福生市など)から漏れ出た可能性が高い問題で、日本共産党都議団は8日、横田基地への立ち入り調査を米軍に求めるよう小池百合子知事宛てに申し入れました。
この問題は横田基地の消火訓練エリアで8月30日、豪雨が降った際に、PFOSを含む泡消火剤の残留物を含む水約4万8000リットルがアスファルト上にあふれ、雨水排水溝に流れ込んだもの。米軍から「施設外へ出た蓋然(がいぜん)性が高い」との通報を受けた北関東防衛局から今月3日、都と基地周辺6市町に情報提供がありました。
申し入れで尾崎あや子都議らは「米軍が基地外にPFASが流出した可能性を認め通報したのは初めてだ。この機会をとらえ、ただちに横田基地への立ち入り調査、サンプル採取を申請すべきだ」と求めました。過去にも横田基地から施設外へのPFAS流出があったことは明らかでしたが、米軍はこれまで認めてきませんでした。
日米地位協定の環境補足協定では「環境に影響を及ぼす事故が現に発生した場合」に施設に立ち入りできるよう定められています。また、日米合同委員会合意(2015年9月)でも事故の通報が行われた時に政府や自治体が現地視察やサンプル採取を申請できることになっています。
尾崎都議はこれらを示した上で、「過去に起きたことではなく、今起きている問題だ。どうしてあふれ出たのか、すぐにでも現場に行って確認すべきだ。都民の不安は広がるばかりだ」と述べ、ただちに立ち入り調査をすべきだと迫りました。
都市整備局の担当者は、4日に都として基地周辺市町と共に初めて「東京都及び基地周辺自治体が必要に応じて立ち入り調査をする場合には、全面的に協力すること」を、防衛相などに口頭要請したと明らかにしました。また、「都と基地周辺市町で国に情報提供を要請した。情報提供を受けた上で、立ち入りを含め必要な対応を求めていく」と答えました。
東京民報2024年10月20日号より