2000人が面影しのぶ 神田川白鳥橋 都電の遺構を公開〈2024年11月3日号〉
- 2024/11/3
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東京都建設局による「神田川整備工事」の一環として架け替え工事が進む白鳥橋(文京区)上で、約60年前に廃線となった東京都電車(都電)39系統の遺構が見つかり、10月15・16日に一般公開されました。
良好な状態で姿を現した都電の敷石と複線レールを一目見ようと、わずか2日間、計4時間の公開にも関わらず、約2000人が来場。レールに都電の模型を乗せて写真を撮る人、レール幅(軌間)1372ミリを持参のメジャーで測る人、「39」の系統板や行先板を掲げる人など、当時をしのぶ人々でにぎわいました。
1936年に開通した白鳥橋(橋長29.8メートル、幅員20メートル)は、文京区後楽と新宿区新小川町をつなぎ、神田川に架かる橋。都電39系統は1921年に開設した早稲田営業所に所属し、1968年の廃線まで、早稲田(新宿区)から白鳥橋上の大曲停留所を通り、厩橋(台東区)まで、7.193キロを走っていました。
神田川整備工事は、昨今の豪雨による神田川の洪水対策のため、河道(護岸)を整備する計画。これに伴い、桁下高さが不足している白鳥橋を架け替えます。
都電の遺構は白鳥橋のアスファルト舗装を重機で撤去した際に出現。都建設局第六建設事務所工事課の河川工事担当者は、「まさかレールと敷石が残っているとは思わず驚いた」と、話しました。
都建設局は10月30日まで、譲渡の希望を受け付け。数件の問い合わせが届いています。
2020年にはお茶の水橋(千代田区・文京区)の補修工事現場で、戦時中に廃線となった都電錦町線の遺構が出現。現在は日本大学理工学部科学技術資料センター(千葉県船橋市)に、石畳やレール、枕木が展示されています。
東京民報2024年11月3日号より