港区は、23区では唯一、米軍基地がある自治体です。「ニューサンノー米軍センター」と「赤坂プレスセンター」です▼赤坂プレスセンターは戦前、旧陸軍の歩兵連隊の駐屯地だった場所です。ただ、現在、米軍基地になっている敷地の一部は、かつては誰もが入ることのできる公園でした▼1986年に、基地内の地下を通るトンネル工事でヘリポートが使用できなくなった際、都立青山公園の用地約4300平方メートルを米軍が臨時ヘリポートとして利用しました。1993年に工事は完了しますが、米軍は返還の約束を守らず、そのままヘリポートとして使用し続けます▼その赤坂プレスセンターに、在日米軍の司令部を移す計画があることを、米軍の準機関紙・星条旗新聞が報じました。市ヶ谷の防衛省に近く、日米の指揮系統の連携を通じて、事実上、自衛隊を米軍の指揮下に置こうという動きの一環です▼司令部が移るとなると、要員や警備隊など、大規模な配備が想定され、さらなる基地の拡張が必要になるとの見方も出ています。ヘリポートは騒音被害に加えて、墜落事故の危険も生んでいます。港区が区長と議長が連名で、早期の全面撤去を求めきた赤坂プレスセンター。司令部移転による基地のさらなる強化は許されません。
東京民報2024年11月24日号より