「安保の見える丘」ー沖縄の米軍嘉手納基地を望む丘がその名で呼ばれていますが、都心の都立青山公園にも、「港区版」としてそう名付けられた丘があります。そこから見えるのは、「麻布米軍ヘリ基地」。この基地にいま、在日米軍の司令部を移転する計画が持ち上がっています。
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「基地の周辺には、青山公園のほか、日本学術会議や新国立美術館、政策研究大学院大学などもあり、日本を代表する芸術、学問の府があるところです。しかも、国会や首相官邸にもほど近い。こんなところに、外国の軍隊の司令部を置こうなどと、占領時代に逆戻りするようなもので、とんでもないことです」。
青山公園のなかにあるヘリ基地を望む丘に立ち、憤るのは「麻布米軍ヘリ基地撤去実行委員会」の共同代表を務める、板倉博さんです。
同基地の米軍による公称は「赤坂プレスセンター」。撤去運動が始まった当時の地名から、基地撤去実行委員会は、「麻布米軍ヘリ基地」の名で呼んでいます。
基地内には、ヘリポートと駐機場のほか、米軍の準機関紙「星条旗新聞」の極東支社、軍関係者の宿泊施設、米軍諜報機関の事務所などがあります。