フェイスブックなどのSNS(ネット交流サービス)を運営する米企業メタが、投稿内容の真偽を第三者機関が確認するファクトチェックを廃止する方針を明らかにしました▼トランプ次期大統領や支持者から、同社の事実確認の仕組みが、右派の論調への検閲となっていると批判されてきました。今後は第三者機関ではなく、ユーザーによるコメントに、事実確認を委ねる仕組みに移行するといいます。2期目のトランプ政権発足を前に、メタ社側がトランプ氏の就任式の基金に巨額の献金をするなど、関係改善をはかろうとする中での動きです▼フェイスブックでファクトチェックの仕組みが強化されたのは、虚偽投稿による情報の拡散が2016年の第一次トランプ政権の勝利につながったとの批判が高まったことも一因でした。日本でも、昨年の都知事選や兵庫県知事選など、事実を歪めたセンセーショナルな情報の拡散が、選挙結果に影響したことが課題となっています▼SNSには、狭いコミュニティのなかで好まれる情報だけが繰り返し共有され、社会の分断を促す弊害も指摘されます。SNSを、事実に基づく新たなつながりを広げるツールとしてどう発展させるか、運営する巨大企業にも、重い責任が課せられています。
東京民報2025年1月19日より








