練馬区の西武池袋線石神井公園駅南口で進む第一種市街地再開発事業(石神井町三丁目)をめぐり、地権者と周辺住民9人が東京都に対し、再開発組合設立認可の取り消しを求める「第2次石神井まちづくり訴訟」で、東京高裁(中村也寸志裁判長)は1月22日、控訴人の請求を棄却する判決を言い渡しました。
同再開発事業は、石神井公園駅南口前に高さ約100メートルの超高層ビル(地上26階、地下2階)などを整備する計画。同地区は、住民と自治体が10年近く協議を重ねて2011年に「景観計画」を策定し、翌12年に街並み誘導型「地区計画」を決定。石神井公園から同駅方面の眺望を守るため、突出した高さの建物がつくられないように「景観形成基準」を定め、建築物の高さを原則35㍍(例外で50㍍)以下に抑えていました。
その後、再開発計画が持ち上がり、区は再開発に反対する住民の声を無視し、20年に地区計画を変更。高さ制限の緩和・撤廃を強行しました。
原審を大きく変更

当日に開かれた報告集会で、弁護団が判決を解説。2審判決は、事実認定の大きな誤認が問題視された1審判決を、ほぼ全面的に変更しています。この点について、尾谷恒治弁護士は「地裁より丁寧に審理し、軌道修正をしている」と前置きしつつ、「行政の裁量範囲であるという結論は変わらなかった」と述べました。