大企業優遇の制度見直せ 不公平税制ただす会が懇談〈2025年2月16日号〉

 納税者の権利を守ろうとの志ある税理士や社会保険労務士などからなる「不公平税制をただす会」は3日、国会議員との懇談会を開催し、会場とオンラインを合わせて60人以上が参加しました。会場には日本共産党参院議員の小池晃書記局長が駆けつけ、立憲民主党、社民党の国会議員も参加しました。

あいさつする小池氏=2025年2月3日、千代田区

 同会共同代表で元立正大学教授の浦野広明税理士が「2025年度予算案と税制改正案の問題点と希望」について語りました。浦野氏は「石破政権が閣議決定した予算案は大軍拡と大企業優遇を推進する一方で社会保障を締め付けた」と批判。「78兆4400億円の歳入のうち、トップは24兆9080億円の消費税で法人税の19兆2450億円を超えている」と説きました。

 さらに「石破首相は軍事費のGNP(国内総生産)の2%超への増額の可能性を認めている」と指摘。一方で「社会保障費は高齢化などによる自然増6500億円程度の増加を見込んだが、薬価改定や高額療養費の改悪などの国民負担増により1300億円程度(増分を)削減した」と分析しました。

 また、トヨタなどの輸出免税による優遇、投資への誘導の問題や異常な国債残高に触れ、「政治を日常普段の生活に入れることが大切で、税の取り方、使い方に関心を持つことが大切だ」と強調しました。

根底に企業献金

 共同代表の菅隆徳税理士は「軍事費許すな!消費税なくしても財源はある」と題して講演。法人税について「累進税率ではなく一律23.2%の税率のため、大きな利益を上げている大企業には応分の負担になっていない」と指摘し、「実質法人税負担率で見ると、大企業は中小企業の半分しか法人税を払っていない」と述べました。さらに「租税特別措置」を挙げ、大企業を優遇する政府を批判。根底に企業団体献金があるとして「トヨタ自動車は2022年の減税額5211億円、自民党の資金団体への献金額は5000万円で1万倍の見返りがあった」と述べ、大企業優遇税制を斬りました。

 運営委員の長谷川元彦税理士は「英国の年金制度から、年金の壁を考える」をテーマに話しました。「日本では収入が月額66万5000円超になると、年金保険料は増えない。年収800万円で負担率が下がる逆進性だ」とし、「イギリスでは年収160万円までは保険料が発生せず超えた分で計算される。事業主負担の上限がなく逆進性はない」などと説明。「課税最低限度額の引き上げは喫緊の課題。103万円ではなく、諸外国並みに200万円にして生活費非課税とすべき。社会保険料の低所得者への拡大は新たな負担を生む」と述べ、「年金保険料への基礎控除の導入と高所得者の事業主負担で、負担構造の見直しをすべき」と語りました。

東京民報2025年2月16日号より

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