国の予算をめぐって、与党と一部野党の協議が大詰めを迎えています▼課税最低限の引き上げや、高校授業料無償化など、個別政策の実現を目指す国民民主党や維新の会。衆議院で与党過半数割れとなっている自公政権は、「密室協議」で妥協点を探っています▼来年度予算案で、突出しているのが、10%も伸ばし8・7兆円を計上した軍事費です。2022年まで5兆円前後だった軍事費が、急速に伸びて9兆円に迫ろうとしています▼大規模な軍拡の背景にあるのが、2023年度から2027年度まで5年間で43兆円を軍事費に投入することを決めた「安保三文書」の存在です。毎年一兆円もの規模で軍事予算が増え続け、GDP比でも2%に迫ろうとしています▼東京都の来年度予算案の一般会計が初めて9兆円を超えることが、話題となりました。福祉や、産業育成、まちづくりなど、さまざまな事業を抱える東京都の一般会計予算案とほぼ同額が、軍事費に投入されています▼2月の日米首脳会談で石破首相は、トランプ大統領に、27年度以降もさらに大軍拡を進めることまで、約束しました。物価高などで深刻さを増す国民の暮らしを守るには、暮らしのための予算を奪う大軍拡のゆがみに切り込むことこそ、必要です。
東京民報2025年3月2日号より









