戦禍を繰り返さない社会に 東京大空襲80年で追悼集会〈2025年3月23日号〉

 一晩で10万人が犠牲となった東京大空襲(1945年3月)から80年目を迎えた10日、台東区の犠牲者追悼碑前で追悼の集会が開かれました。参加者は、国に空襲犠牲者への補償の実現を求めるとともに、ウクライナやガザなどの戦火に思いをはせ、戦争のない世界の実現を願いました。

犠牲者追悼碑に献花する参加者=10日、台東区

 主催した東京大空襲犠牲者追悼・記念資料展実行委員会の川杉元延実行委員長のメッセージを、同実行委員会の高橋成悟さんが代読しました。川杉氏は、大空襲の当日、追悼碑のある言問橋付近にも多くの避難者が押しかけ、炭のように焼けつくされた死体が各地に転がり、水面を溺死体が覆ったことを振り返り、「追悼碑は死して、家族に逢えなかった人たちのお墓でもある」と強調。東京都に、建設が凍結されている平和祈念館の早期の設置を要望するとともに、「国は、戦争被害は幅広く国民が受忍すべきという受忍論を改め、空襲犠牲者への補償の実現を」と求めました。

 日本共産党の吉良よし子参院議員があいさつし、「東京大空襲は、子どもも含めた非戦闘員を虐殺した戦争犯罪だ」と告発。「国が戦争責任に向き合ってこそ、二度と戦争をしない平和な社会をつくっていくことができる」として、ニューヨークで開かれた核兵器禁止条約の締約国会議でスピーチしたことにも触れ「核兵器も戦争もない世界の実現へ、被害者と手を携えていく」と語りました。

 7歳で東京大空襲を経験した松野康子さんが証言し、「空がB29爆撃機で覆われ、ソーセージのようなものが落ちてきた。地面に落ちると、炎が広がり、街が真っ赤になった。その中を、母に連れられ家族で逃げ回った」と振り返りました。

東京民報2025年3月23日号より

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