「夜間定時制高校の存続を求める会」、立川高校定時制同窓会の「芙蓉会」など、東京都教育委員会が進める都立夜間定時制高校の廃校に反対する6団体は5日、豊島区内で都民集会を開き、約60人が参加しました。集会では「都教委の杜撰(ずさん)で強引な夜間定時制の廃校計画は絶対に認められない」とするアピールを採択しました。
都教委は昨年10月、立川高校定時制(立川市)の生徒募集の停止、2027年度末の廃校を決定し、さらに小山台(品川区)、桜町(世田谷区)、大山(板橋区)、北豊島工科(同)、蔵前工科(台東区)、葛飾商業(葛飾区)の各夜間定時制高校を26年度からの生徒募集停止を予告しました。都教委は廃止理由に、「小規模化」した夜間定時制では、「教育効果が十分に得られない」ことなどを挙げています。

元都立高教員で反対する会事務局の河合美喜夫氏があいさつし、廃校をめぐる経過と10年に及ぶ主な取り組みについて報告。「夜間定時制では少人数を生かした丁寧な学習指導が行われ、アットホームな教育環境のもとで、生徒は授業や部活動、学校行事などに取り組んでいる」と指摘。「困難を抱える多くの生徒が学んでいる夜間定時制こそ、減らすのではなく充実させるべきだ」と訴えました。
今春、都教委が募集停止を行った立川高校定時制では、受け皿として考えたチャレンジスクールの立川緑高校の入試倍率が2・38倍となり、242人が不合格になりました。河合氏は「生徒の進路が心配で、緊急措置として立川高校定時制の生徒募集を実施するよう求めたが、都教委は一顧だにしなかった」と批判しました。
8人がリレートーク。板橋区の小中一貫校を考える会の女性は「不登校の子が急激に増えている。そういう子は自宅の近くに学校がないと通学できない。区内の2校が廃校になるので、存続を求める会を立ち上げ署名などに取り組みたい」と表明。
葛飾区内の夜間中学校の教員は「75歳の生徒は葛飾商業定時制への進学を考えていたが、夜間中学から夜間定時制高校へ進学する生徒は多い。ネパールやウクライナ出身の生徒もいる。昼間働いて夜学びたいと思っている生徒たちの進路先を閉ざさないでほしい」と訴えました。











