〈一分 2025年5月18日号〉日本学術会議の独立性を奪う、「解体法案」の審議が衆院で緊迫した状況を迎える中、国会周辺では連日、「人間の鎖」をつくる集会が開かれました。…

 日本学術会議の独立性を奪う、「解体法案」の審議が衆院で緊迫した状況を迎える中、国会周辺では連日、「人間の鎖」をつくる集会が開かれました▼法案は、現行法の「学問の自由」のもとに「独立して職務を行う」という規定を削除します。人事や財政などを通じて、学術会議の活動への政府による介入の仕組みを何重にも作ろうとしています▼背景として指摘されているのが、同会議が三度にわたって声明を出すなど、大学などでの軍事研究に一貫して反対の立場をとってきたことです。現行法の前文には、戦前に大学が軍事研究に動員され科学者も協力した現実を踏まえ、「科学者の総意のもとに」「わが国の平和的復興に貢献する」と記しており、法案はこの原点が込められた前文も削除します▼「人間の鎖」の参加者からは、この法案が「学術会議の終わりの始まり」になると強い危機感が語られました。戦前の軍事研究の歴史を紐解き、政府や軍部の意向に沿って動員された科学者たちは結局、それほどの成果をあげられなかったとして、学問の自由を守ってこそ、学術が発展するとも指摘されました▼学問の自由は、言論や表現、良心など、さまざまな自由にもつながります。日本の学術の未来を壊す、解体法案を廃案に。

    東京民報2025年5月18日号より

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