〈一分 2025年6月8日号〉政府による備蓄米の流出がようやく本格化しました…

 政府による備蓄米の流出がようやく本格化しました▼競争入札から、スーパーなどに直接、売り渡す随意契約に切り替えたことで21年産や22年産の米が売り場に並び始めました。深刻なコメ不足を反映し、一部の商業施設では1200人もの行列ができたと伝えられます。政府は一般の流通米の価格も下がる効果を期待しますが、流通自体が不足している現状では、価格低下につながるかは予断を許しません▼コメ不足問題で一貫しているのが、政府の危機感の薄さです。昨年夏に深刻なコメ不足が問題になった際も、その後から現在に至るコメ価格高騰でも、政府はコメの供給自体は足りているという立場で、抜本的な対策をとってきませんでした▼自民党農政の失政のもと、農家の減少は深刻です。2000年に水稲農家は175万戸だったのに対し、20年には70万戸と4割に減っています。政府がコメ価格を市場任せにする中で、廃業と担い手の高齢化が急速に進んできました▼ここにきて首相もようやく、コメ増産の必要性に言及し始めています。「コメつくってメシくえる」よう、農家が再生産できる価格保証と所得補償を実現するとともに、消費者に手頃な価格でコメを提供するための、農業予算の抜本的な増額が欠かせません。

    東京民報2025年6月8日号より

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