PFAS 血液検査 自治体別の結果が明らかに 低下傾向も一部下げ止まり 水道水の影響見る新調査〈2025年6月29日号〉

 発がん性や低出生体重児の増加など、健康への影響が指摘される有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)をめぐり、多摩地域の医療機関が開設したPFAS相談外来で行っている血液検査の状況が東京民報の取材で明らかになりました。10人以上が検査を受けた8自治体のうち、7自治体でPFASの血中濃度が10ナノグラム/リットルを超えています。

 血液検査の状況をまとめたのは、全日本民主医療機関連合会(民医連)に所属する健生会・昭島相互診療所の副所長で、PFAS相談外来を担当する大山美宏(よしひろ)医師。同診療所や、健生会の他の診療所などで行っている血液検査の結果を自治体ごとに集計しました。

診察室で話す大山医師

 PFASの血中濃度は、個人による差が大きいため、検査の結果が10人以上あるところを集計。PFOS、PFOAなど代表的な4種類のPFASの血中濃度を合計した値をまとめると、表のようになります。最も高かったのは、国分寺市の21・9ナノグラム/リットルで、府中市16・8、杉並区16・1などが続きます(下に表)。

 多摩地域の住民の血中濃度については、2023年6月に市民団体「多摩地域の有機フッ素化合物汚染を明らかにする会」が、650人分を集めた結果を公表しています。

 この時の数値で、多摩地域で最も値が高かった国分寺市、4番目に高かった府中市などは依然、高い値であるものの、低下傾向です。23年6月の検査では2番目の高濃度だった立川市は、大きく下がっています。

 大山医師は、「サンプル対象が違うため、自治体ごとの数値を単純に比較はできない。ただ、住民の血中濃度が高いとして注目を集めてきた国分寺、立川、国立、府中などで低下傾向が見てとれる。その一方で、むしろ、昭島市などは高止まりしている傾向だ」と話します。

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