各党が激しくしのぎを削る参院選は、20日の投票に向けて中盤を迎えています▼今回の選挙の大きな焦点が、衆院で起きた与党過半数割れが、参院でも起きるかです。共同通信が6月28、29日に行った世論調査では、参院で与党過半数割れしたほうが良いと答えた人は50・2%と半数を超えました▼17選挙区で候補者一本化が実現した一人区などでは、市民と野党の共闘を力にした激戦が続いています。全国どの選挙区とも、自民、公明の議席数を減らし、政治の大転換への条件をつくる歴史的な選挙戦です▼同時に参院選の序盤情勢では、国民民主党や維新の会など、与党の国会運営を助けてきた補完勢力や、参政党などの排外主義の潮流が議席を伸ばす可能性も指摘されています。これらの党は、現役世代の社会保険料引き下げの名で、一部の人に負担をしわ寄せする医療費削減を推進したり、「日本人ファースト」として外国人が優遇を受けているかのように主張するなどしています▼国民生活の苦しさが増すなかで、一見、分かりやすい「敵」を描きだそうとするのが、差別と分断の主張です。暮らしを本当に良くする道は、「財界ファースト」「アメリカファースト」の政治の大本からの転換を掲げる党が伸びてこそ、です。
東京民報2025年7月13日号より









