戦後80年 絵本通して平和を考えよう ちひろ美術館 日本と世界の絵本が集結〈2025年8月10,17日合併号〉
- 2025/8/17
- 文化・芸術・暮らし
日本の第2次世界大戦での敗戦から80年目にあたる2025年、練馬区にある「ちひろ美術館・東京」では、絵本を通して平和と戦争について考える展覧会「絵本でつなぐ『へいわ』」を10月26日まで開催しています。いわさきちひろや国内外の絵本画家たちが平和への思いを込めて描いた絵本や、戦争を描いた絵本の原画を画家からのメッセージとともに展示します。期間中、イベントも開催されます(別項)。
◆期間=7月26日(土)~10月26日(日)。休館月曜(祝休日の場合は開館、翌日休館)午前10時~午後5時
◆交通機関=西武新宿線上井草駅下車徒歩7分
◆主なイベント▼Silent Fallout上映会 8月30日(土)午後1時半~参加費300円▼対談 武田美穂(絵本作家)×松本猛(ちひろ美術館常任顧問)9月14日(日)午後2時~(定員40人、参加費1000円)▼内田麟太郞(詩人・絵詞作家)講演会 9月28日(日)午後2時~(定員40人、参加費1000円)全て要予約=電話03―3995―0612または公式サイト
関係者に披露する内覧会が7月28日に行われ、詩人のアーサー・ビナードさんが招かれました。セレモニーでは「いわさきちひろ記念事業団」理事長の山田洋次監督があいさつし、来場者に感謝を述べました。
山田監督 戦争は排斥から
山田監督は敗戦から80年を迎え、戦前・戦中の日本を知る人が少なくなっていることに言及。満州に住んでいた少年時代に中国人を差別していた自らの経験と当時の軍国主義教育について回顧し、「戦争をする時には怪しげな愛国精神をかきたてて外国人を排斥し、侮辱するところから始まる」と、外国人差別や排斥が戦争の始まりとなる危険性に警鐘を鳴らしました。

また、都議選・参院選で差別や排外主義を主張する勢力が伸びるなど、満州時代と重なる現在の社会状況について「とてもなんかこう怖いなと思う。こんなことでいいのだろうかと、とても心配になってくる」と懸念。
その上で「敗戦後80年にして、今僕たちはそういう日本にいるのだということを、この美術館を訪れた人たちが数々の絵を見ながら感じていただければとてもうれしい。またそういう展覧会でなければいけないと思っております」と語りました。











